プチ講演会(勉強会)9月「松井の横穴墓について(大住隼人の墓?)」

2025年9月9日(火) プチ講演会(勉強会)9月
毎月の定例会前に行われるプチ講演会の報告です。(隔月)
タイトルは「松井の横穴墓について(大住隼人の墓?)」です。
講師は当協会の大先輩で紳士のT氏です。(いつも穏やかなT氏。実は、能あって爪を隠している鷹!)
京田辺市松井に横穴墓群があることは知っていましたが、どのような場所に、どのような規模であるのか?私は全く知りませんでした。
本日の講演で発掘調査後の現地説明会の写真紹介があり、丘陵地の斜面に多数の横穴墓を見ることができました。
何とここだけで70基の横穴が見つかり、未発掘部を合わせると300基以上あると推定され、関西最大級の横穴墓群になるのではとのこと。びっくりです!!
T氏が撮影された写真は、画面上で拡大してもはっきりと細部まで見ることができました。
(かなり良い解像度で撮影されてるんだなとわかり、改めてさすが!と思わせてくれました。)
では、松井の横穴墓の被葬者は誰か? 非常に興味深い話です・・・。
副葬品から鉄鏃・鉄刀といった武器が非常に少ないことから、支配者階級ではなく、この周辺一帯の集落の一般階級上層部の人(有力家長層?)が合祀されていたと考えられています。
京田辺市大住周辺に南九州地方の「隼人」が移住したと考えられていることから、隼人が故地の墓を造ったのが横穴墓であると捉えられています。しかし、その後の調査・研究で異説も唱えられ、隼人の墓との断定もできず今後の調査・研究が待たれます。
京田辺市の横穴墓群は、松井以外に掘切(薪)、飯岡にも存在するとのこと。
特に、堀切6号横穴墓は、1969年に土取り作業中の崖面で土器や人骨が発見されたことに端を発し、発掘調査が行われています。
横穴墓を知る上で、ガイド初心者はもとより多くの会員が、今回の講演は非常にわかりやすく有意義であったと思われたのではと感じました。
